手当て
「もう拭いた?法師さま。」
「はぁ…いや、すいません。」
いささか情けない顔でそう言った法師に、珊瑚は何言ってんのと軽く返した。
「あんだけ盛大にコケたら、まぁ、やっぱ擦りむけるよね。」
「…コケたのは私じゃないのに…」
「身体は法師さまでしょ。ノミの婆さんなんて関係ないない。」
あっさりとそう言い切られ、弥勒ははぁ〜っとため息をして俯いた。
その額は、うっすら赤く擦りむけている。
ノミの爺さんと婆さんの痴話喧嘩に巻き込まれて、しかも話によれば「こんな身体じゃ」などと言われたらしいのだからこちらとしては冗談じゃない。
けなすくらいなら最初から借りるんじゃねえ、と内心ツッコんだものの、彼らにもそれなりの結末がやってきたのでとりあえず気にしないことにした。
それに、
「ほら法師さま。こっち向いて。」
こうして珊瑚が手当てしてくれると言うから、まぁ悪くない。
“ちゃんと消毒しとかないと、こういうのに限ってあとで膿むんだからね。ほら、土とかで直接擦ってるでしょ。”
そう言って治療を言い出したのは珊瑚の方だった。最初は躊躇ったものの、滅多に無いことだとも思って頷いた。
「血は出てないだけに、痛そうだね。大丈夫?」
「力いっっぱい布でこすって消毒液擦り込ませた後に言わないで下さいよ、それ。」
隣にかごめがいたら吹き出されそうだとか思いつつ、それでもやんわりとつっこんでみる。実際、先程のはかなり痛かった。
「…ごめん。いや、ああやった方が泥も落ちるし一石二鳥かなって思って」
「…まとめようとしないで下さい、そんな効果。」
多分この少女は大真面目にやっただろう、それだけにたちが悪い。
「ごめんてば……あ、ちょっと法師さまっ、もうちょっと上向いて上!」
言いながら、手で半ば強引に顔を引き上げる。ぱ、と目が合った。一瞬だけ彼女の頬に朱が散り、しかしすぐにそれは引く。これは手当てだと一瞬にして割り切ったらしい。
「これ貼って、終わりだからね……」
呟き、黒っぽい薬布を取り出す。ゆっくりと、その手ごと身体が近づいた。
「ごめん、と言いましたね。」
ふいに弥勒が呟き、へ、と珊瑚が間抜けた声を出すと同時に、くんっと後頭部に何かを感じた。
「謝辞には粗品が基本でしょ。」
「はあ?」
「いや、粗品・と言うには豪勢ですかね。まぁ豪華なのに越したことは…」
「ちょっと!手当てできないでしょっ、この手邪魔っっ!」
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取捨選択、久々の新作。…って、自慢にならない……;;
要するに未完なんですもんねぇ。すいません。。
とりあえず、とっても懐かしい思いで昔のビデオ、ちょうど「さらば青春の日々」を見ててなんとなく思いついたネタでございます。だってあんな盛大にコケたら絶対痛いもの…!その割に効果音が情けなくって弥勒さまが不憫でした(笑)あの話はオンリーユーに次ぐ名作だと私は思っております(←変)
しかし仮題、ホントにひねりが無いな…<<自分で言うなァァ!